2024年度もノビテクは、多くの新入社員研修を実施しました。その実施後に、2024年度の新入社員研修を担当した講師へアンケートを取り、講師から見た「新入社員の傾向」をまとめましたので、ご紹介します。
2024年度 新入社員研修の振り返り、そして、来年度実施の参考になれば幸いです。
アンケート回答結果を簡潔にまとめています。
今年度はお客様にて、対面の方が学びが深まること、オンラインの方が学びが深まることを真剣にお考えになったうえで、研修形式を決定されていました。しかしながら、同期間の関係性強化や、会社の雰囲気を早くつかんでほしい、マナーの動作をしっかり身に付けてほしいという意図から、90%以上のお客様が対面形式での研修を選択されました。
全ての講師が強みとして「協調性」を挙げました。今年度の新人の多くは学生生活の大半をオンラインでのやり取りに終始し、最後の一年間でやっと対面で学生生活を送ることができた世代です。そのせいか、仲間と一緒に対面で活動することに喜びを感じ、グループワークではお互いのことを気遣いながら進めることができていました。
グループワークでは一つ意見が出ると安易に賛成してしまい、批判的に考えたり、意見を深めるといった発想はありません。講師が促すともっと考えようとしますが、目的意識がないと当然のことながら意見を深めることができません。弱みに「創造性」が挙げられているのは、このような状況も一因です。また、相変わらず「自発的に動ける人」と「指示があれば動ける人」にはっきりわかれましたが、「指示があれば動ける人」は主体性に欠けるというよりも、単純に知識や経験の不足によるものもあり、理解ができれば次からは自主的に動けるようになる場面が多々ありました。
「社会人基礎力(http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/)」を参考に20項目準備し、強みと弱みをそれぞれ5個回答。
自由回答で新入社員の特性を回答いただき、強み・弱みの項目に合わせて上記の表に整理しました。
プラス評価の特性で「4_主体性」に関する回答が多く、「指示への達成力・達成意欲が高い」と成長意欲について評価する一方で、「誰かが動くまで動かない」といった自分から率先して動くことに躊躇する場面が見られたことから、「主体性が弱みである」との回答が多かったです。またこの姿勢は「13_発信力」のマイナス評価である「自ら率先して発言しない、発信力が弱い」にも通じています。
「15_協調性」について、すべての講師が「強み」であると回答した。今年度の新入社員の多くは、学生時代はほぼオンラインで学び、最後の1年間のみ対面授業であった世代である。仲間と一緒に対面で活動することに喜びを感じ、グループワークにおいてお互いへの助言や気遣いも自然に、かつ積極的に行っていたと言う声も多く聞かれました。
プラスにもマイナスにも働く特性を黄色で示した。「20_その他」の「仕事を楽しめる」では、課題を達成できなかったが楽しかったから良しとする場面があった。よく一流のアスリートが「楽しむことが大事」と表現するが、大変な修練から生み出される実力を発揮するためには試合を楽しむことが大事という意味であり、「楽しむ前に努力が必要」であることを伝えることが必要かもしれません。
3ケ年度の比較では、 「15_協調性」「18_規律性」「14_傾聴力」が必ずベスト5に入っている。特に今年度は回答者全員が「15_協調性」が強みであると回答しました。
今年度は「3_責任感」が初めてベスト5に挙がりました。任されたことについて自分で何とかしようとする姿勢は素晴らしいのですが、うまくいかない点については周囲の協力を得て成果につなげる、という発想がありません。弱みのトップが「5_働きかけ力」であることが象徴的です。仕事においては自ら周囲に働きかけながら、チーム・組織で成果を出すという考えに早くなじんでいけるといいですね。
3ケ年度の比較では、ベスト5の項目はほぼ変りません。
多くの企業が採用時に「4_主体性」「8~10_論理的思考・考え抜く力」「11_チャレンジ意欲」を求めるが、残念ながら新入社員が発揮する場面が見られず、むしろ講師は「弱み」であると認識している。特に主体性、チャレンジ意欲については、新入社員に自ら動くよりも周囲の様子を伺ってから動く傾向があることから、「弱み」と回答していると思われます。
「13_発信力」は毎年弱みの上位に上がりますが、クラス全体になると発言しないが、グループワークでは発言できています。どの講師もまずグループ内の心理的安全性を形成することを心がけており、心理的安全性ができている場では発言できるが、クラス全員の前でとなると、ハードルが高いようです。
今回のアンケート結果を鑑み、新人の特徴と対応方法について、次のようにご提案いたします。
この特徴を生かすため、次のような仕事の与え方が必要です。
1.指示を、目的やその理由も含めて丁寧に伝える。その仕事の成果物見本があれば提示し、報告・相談のタイミングについても決める。
2.仕事ぶりをよく観察する。
3.報告されたら、報告内容と観察結果に基づいてフィードバック(ほめる、改善への指摘)をする。
また、新人からの相談を待っているがなかなか相談してこない、とよく聞きますが、新人にとって相談は高いハードルです。なぜなら他者に迷惑をかけることを恐れ、かつ、できない人間だと思われたくないからです。最初は周囲が声をかけて相談できる機会を作り、徐々に自分から相談できるようにさせましょう。
近年、ホワイトすぎて会社をやめるという話を聞くようになりました。新人と定期的に話をし、状況を把握したうえで、あえてチャレンジングな課題を与える有効性を認識しましょう。
課題を与える際に、新人への期待も伝えてください。そうすることで新人のモチベーションが上がり、向上心を発揮してくれます。また、デジタル技術については新人の方が詳しいかもしれません。デジタル技術に限らず新人が詳しい分野について積極的に意見を求めると、新人は「役に立っている」と感じ、自己効力感が高まると同時に、職場へのロイヤリティが生まれることも期待できます。
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