研修カリキュラムには、研修で何を学ぶか、何を演習させるか、その研修で求められる成果が書かれています。
この4点にしぼると良いでしょう。
カリキュラムの内容は、どこでも共通する一般的なものから、研修会社独自の内容もあり、公開されているカリキュラムをひとつひとつ精査するのには、思いのほか労力がかかります。
よって、カリキュラムの読み方のポイントを理解することは、教育ご担当者様の業務の効率化につながります。
カリキュラムは「大テーマ」に沿って作成されます。大テーマは、コンセプトの場合もあれば、研修名の場合もあります。研修後どうなりたいのか、何を学ぶのか、目的や”ねらい”、などを抽象度高くまとめたものです。
「中テーマ」は提案書では学習項目とも書かれます。大テーマを実現するために必要な知識や体験演習を「学習項目」として規定したものです。
「補足」は提案書では学習のポイントとも書かれます。中テーマの内容を簡潔に説明しています。
以下は、ノビテクの新入社員研修カリキュラムの一部です。
新入社員研修といってもさまざまですが、社会人1年目であることを加味し、まずは「ビジネスマナーを身につけて欲しい」というご要望が多いため、ここでとりあげる大テーマを「ビジネスマナー」としています。
大テーマ「ビジネスマナー」をもとにしたカリキュラム表の左側に「中テーマ」、右側には「中テーマを補足する内容」が書いてあります。
大テーマ「ビジネスマナー」をもとにしたカリキュラム表の上側の太字が「中テーマ」、下側に「中テーマを補足する内容」が書いてあります。
中テーマは「1.オリエンテーション」です。
なぜ、この研修が必要なのか、学ぶことで何が得られるのかを解説する導入が設けられています。
補足は「講義:ビジネスマナーはなぜ必要か」です。
[講義]のアイコンは講義を示し、[ワーク]のアイコンは受講者のみなさんに実際にやってみていただく演習を示しています。
次の中テーマに移ります。
中テーマは「2.ビジネスマナートレーニング(1)「あいさつ」」で、補足は「講義:あいさつとは、トレーニング:「あいさつ」」です。
あいさつとはなにか、ビジネスにおいてどんな意味があるのかを講義でお伝えし、その後、実際にやってみていただくことがこの項の学習項目であることを示しています。
その他、「中テーマ」をざっと見ると、
と並んでいます。新入社員研修の1日目の学習要項がわかるようになっています。
その中で、たとえば「電話応対」を特に気にされる場合は、
補足に「講義:電話応対の基本、携帯電話のマナー、トレーニング:「電話応対」」とあるので、この内容から、要望に沿うかどうかを知ることができます。
このようなカリキュラムは要点を絞った簡易的な内容となっていますので、実際の研修の進め方(講義・演習内容)については、研修会社の営業担当者(ノビテクでは研修コーディネーターと呼んでいます)とディスカッションで詰めていくことが肝要です。
また、新入社員研修は、複数日設けられることが多いです。例えば2日間の研修なら、1日目はマナーの基本習得のみ、2日目は最初に前回の復習を行い、後半はさらに仕事でよくある場面を想定した講義やトレーニングを行うなど、カリキュラムの編成を検討できます。
外部に委託する場合、研修を選ぶというよりも、研修会社を選ぶという側面が強くなるかもしれません。その場合は、研修会社との相性や、見積もり価格が妥当であるかで検討するといった流れになるでしょう。
より検討意向が高い場合は、打ち合わせ時に、実際に登壇する講師と打ち合わせをすることも可能です。より具体的な研修のイメージが持てます。さらに営業担当者や講師は「人材育成コンサルタント」の側面もありますので、大テーマや中テーマに対する事例を豊富にもっており、打ち合わせによって、より効果的な研修のご提案ができます。
カリキュラムの読み方の4つのポイント
より早くカリキュラムの読み解きができるよう、その一助になれれば幸いです。効果的な研修プログラムを、ぜひ一緒に作っていきましょう。