OJT(On-the-Job Training)は、従業員のスキルアップに大きな効果がある一方で、計画不足や環境の不備などにより、思わぬ落とし穴もあります。本記事では、OJTの効果を低下させる要因と、これを回避するための実践的な対策を解説します。
OJTの成功には総合的なアプローチが必要です。トレーナーの育成からプログラムの柔軟な運用まで、OJTに潜む落とし穴を回避するためのポイントを押さえましょう。
本記事に出てくる「トレーナー」とは育成をする側(上司、先輩、指導者)を、「トレーニー」とは訓練・指導を受ける側(新人)を意味します。
OJTを十分に計画せず、目標やプロセスが曖昧なまま進行してしまうと、トレーニーの混乱を招き、充分な成果を得ることが出来ません。
OJTを効果的に実施するためには、事前にプログラムを計画し、明確な設計を行うことが重要です。トレーニーのニーズ、目標、カリキュラム、評価基準などを明確に定義し、一貫性のあるトレーニングを実施できるよう心掛けましょう。
こちらもご覧ください。
効果的なOJT計画のガイドライン
経験や指導力が不足しているトレーナーが担当する場合、トレーニーのスキル向上が十分にできない恐れがあります。
トレーナーはOJTプログラムの鍵となる存在です。トレーナーは適切なスキルや知識を持ち、トレーニーへのフィードバックができる人材を選定しましょう。また、トレーナーのスキル向上を支援するトレーニングやガイドラインを提供することも大切です。
こちらもご覧ください。
OJTトレーナーに向く人、向かない人 -OJTトレーナーの選定と育成-
トレーニーが適切なフィードバックを得られない場合、自己評価やスキル改善の機会が限られてしまい、成長が妨げられます。
トレーニーとトレーナーの間で定期的なフィードバックやコミュニケーションを行うことが重要です。トレーニーの進捗や課題、トレーナーのサポートなどについてオープンに話し合い、課題を早期に解決することができます。
こちらもご覧ください。
OJTトレーナー研修
トレーナー間で教育スタイルや内容に差がある場合、トレーニーに混乱をもたらし、一貫性をもった育成ができなくなります。
トレーニーの成果を評価する基準を明確に定義することで、プログラムの効果を客観的に評価できます。評価基準はスキル習得度や業務遂行能力に関するものであり、これによりトレーニーは自身の成長を確認することができます。
こちらもご覧ください。
OJTご一緒研修
トレーナーがOJTの指導に時間を充てる余裕がなく、業務に支障が出る場合、効果的な指導や学習ができないといったことが生じます。
OJTを実施する際には、トレーニーとトレーナーの業務負担を考慮することが重要です。特に繁忙期や重要なプロジェクト時には、トレーナーとトレーニーの負担を軽減するために調整を行いましょう。
こちらもご覧ください。
OJTトレーナーの業務負荷課題と解決策
OJTに適した学習環境やリソースが不足している場合、トレーニーの学習効果が低下します。
OJTプログラムは柔軟性を持たせることが大切です。トレーニーのスキルレベルや進捗に応じてカリキュラムを調整し、適切なペースでトレーニングを進めることで、同期のトレーニー間に生じる能力のばらつきを抑えることができます。
こちらもご覧ください。
新人フォローアップ研修
トレーニーがOJTに対する関心やモチベーションを持たない場合、効果的な学習が妨げられます。
OJTプログラムの実施後にも、トレーニーのパフォーマンスや成果をモニタリングし、必要な場合には改善を行うことが重要です。フィードバックを活用してプログラム全体の品質を向上させるための改善に取り組みましょう。
こちらもご覧ください。
1on1を活用したOJTトレーナー研修
OJTの成功には、これらの点を総合的に改善することが欠かせません。問題に早めに対応することで、効果的なOJTを実現できます。
最後に必要な対策は、
トレーナーやトレーニーが困難に直面した際には、適切なサポート体制を整備することが必要です。メンターや上司への相談や、人材育成担当者の専門的な支援、質問への迅速な回答などが含まれます。
この対策を実施することで、OJTプログラムの効果を最大限に引き出し、課題を克服することができます。従業員のスキル向上や組織の成長に貢献するために、計画的かつ継続的な取り組みを行いましょう。
人材育成の課題やお悩みに最適な研修企画をご提案します。
OJT導入ガイドをギュッとコンパクトにまとめた「計画的な人材育成をはじめるためのOJT導入ガイド」をリリースしました。関係者間で共通認識が得やすく、わかりやすいOJT導入ガイドです。ぜひ、資料請求をご利用ください。