On-the-Job Training(OJT)は、実務を通じた人材育成手法です。OJTの成功には、適任のトレーナーを選定し、育成することが欠かせません。本記事では、OJTトレーナーに求められる資質と選定のポイント、さらには事前教育の重要性について解説します。
トレーニーを中心に、これらの役割が連携してOJTの体制を築きます。その中で、最も重要な役割の1つが「OJTトレーナー」です。このガイドでは、OJTトレーナーに必要な資質、向いている人の特徴、向かない人の特徴について詳しく解説します。
OJTトレーナーには、以下のような資質が求められます。
自らの業務を熟知し、標準的なプロセスを理解していることが前提条件です。
分かりやすい説明、適切な助言、励ましができることが大切です。
トレーニーの成長を喜び、時間を惜しまず指導にあたることができることが必要です。
一人ひとりのペースに合わせ、丁寧に関わることができる寛容性が求められます。
OJTトレーナーを務める上で、以下のような特徴が課題になる可能性があります。ただし、研修を通じて改善できるポイントでもあります。
自身の業務をより深く理解することで、トレーニーへの指導力が向上するでしょう。
業務のマクロな流れを学ぶことで、トレーニーへの業務指導を充実させることができます。
さまざまな指導法を学び、トレーニーの個性に合わせて指導する柔軟性を身につけることが大切です。
時間管理を見直し、トレーニーの指導に必要な時間を確保する工夫が必要不可欠です。
上手く対応すれば、これらの課題は改善可能です。例えば、業務の標準化研修やマネジメント研修を通じて、トレーナーとしての資質は磨くことができるのです。
これらの特徴は、OJTトレーナーを選定する際に考慮すべきポイントです。
実際の選定基準として、以下の条件が挙げられます。
これらの条件を考慮して、具体的には以下の人々がトレーナーとして適しています。
利点:業務知識が豊富。
欠点:指導力にバラつきがある可能性。
利点:マネジメントと指導を両立可能。業務配分が可能。
欠点:育成に時間を割くため、自身の業務が停止すると後工程にも影響が大きい。
利点:均一な教育が実現可能。
欠点:トレーニング専任の人員が必要。
アルバイト雇用や店舗運営が主な企業では、定期的な人材採用と流動があるため、特定の社内トレーナーを配置するケースがあります。一方で、その他の企業ではリーダーや先輩社員がトレーナーとなることが多いようです。
こうした背景のもと、職場の若手・ベテラン社員(先輩)をトレーナーに指名してOJTを行う状況が多数と考えられ、それが故に「問題のあるOJT」が発生しやすい恐れがあります。
こちらもご覧ください。
OJTの落とし穴を回避せよ! 悪影響を及ぼす要因と効果的な対策
これらはできることならば避けたい要因です。特に経験の浅い若手社員にトレーナーの役割を任せる場合、事前準備と教育が不可欠です。
こうした事前準備と教育により、経験の浅い人でもOJTトレーナーとして役割を果たす能力を向上させることができます。
人材育成の課題やお悩みに最適な研修企画をご提案します。
OJT導入ガイドをギュッとコンパクトにまとめた「計画的な人材育成をはじめるためのOJT導入ガイド」をリリースしました。関係者間で共通認識が得やすく、わかりやすいOJT導入ガイドです。ぜひ、資料請求をご利用ください。