ハラスメント防止を実現するためには、知識と行動の習得以外に、大事な要素があります。今回はその要素をお伝えします。
前回は、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントの定義をお伝えしました。
職場におけるパワハラ防止・セクハラ防止を実現するプロセスには、知識を得ると同時に、感情面の理解、つまりハラスメントを被った当事者の気持ちになることも必要です。
当事者の気持ちになるとは、実際のハラスメント事例を読み取る際、
「もし、自分がこんなパワハラを受けたら…」
「セクハラをされたとしたら…」
とハラスメント事例の登場人物を自分に置き換えてみることです。
パワハラ・セクハラを含め「ハラスメント」とは、ひとことでいえば「いじめ、嫌がらせ」です。
個々の価値観は、生育環境や、世代、性差等によって、ひとつに限定されず、「いじめ、嫌がらせ」と感じる範囲も人により異なってくるものです。
文章を読んで覚えた知識を詰め込むだけでは、他人事として受け止めるだけに終わり、実際、思わぬところでハラスメント加害者になってしまう場合も少なくありません。
「そんなつもりではなかった…」
「あの言葉は冗談だったのに…」
これは加害側となってしまった人が、ハラスメント言動を問われた際に発っするありがちな言葉です。自分だけの価値観、自分だけの感情で行動した結果ともいえるのですが、しかし、これは一部の人ではなく、誰にでも起こりうるのです。
「私はハラスメントしないから大丈夫」
「私にはハラスメントなんて無関係」
とは考えずに、自分がハラスメントをする(される)可能性は100%無いという職場環境は稀である、と考えるようにしましょう。
編集:株式会社ノビテク 企画開発部
ライター:遥美香子(人材育成プロデューサー)