目標を達成し続けるリーダーの部下を育てる7つの基本
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目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
第2章 部下と関わる「場・環境」をつくる【5】
「会議で部下を成長させる」
1週間の予定表を開いてみてください。そこにはいったい、いくつの会議が入っていますか?
NTTデータ経営研究所が行った調査「会議の革新とワークスタイル」によると、全ての仕事に占める会議の割合は、なんと15.4%。労働時間の6分の1が、会議なのです。また、この比率は大企業ほど多いと言います。
これほど長い時間を費やしているのですから、会議も部下育成に使わなければもったいないですよね。
ビジネス文書の書き方に慣れられますし、会議の内容を振り返ることを通じて、部署全体がどんな風に仕事を進めているのか理解することができます。
また、会議の準備をさせることもいい方法です。
関係者全員のスケジュールを調整し、開催時間を決める。会議室を予約し、必要な資料などを用意する……。そんな準備をこなすうちに、「段取り力」が磨かれるでしょう。 また、関係部署との連絡を取ることにより、社内人脈が広がる可能性もあります。
発言するとき、人は頭をフル回転させます。また、頭の中で考えたことを言葉にしてみると、思考がグッと整理できますし、自分の考えに足りない要素があることも分かります。その過程で、表現力や論理的思考能力が磨かれるのです。
同僚の意見を聴いて考えることも、仕事力を伸ばすためのトレーニングになります。
人は、それぞれ仕事のやり方が違いますし、考え方も異なるものです。そこで、他の人の考え方を会議で体感し、参考にすることで、人は成長できるのです。
まずは、話をしたそうな部下に問いを投げかけ、発言を促します。そして、「なるほど、それで?」「それは具体的にはどういうこと?」「もう少し詳しく言ってごらん?」といった言葉を使って、さらに意見を引き出すのです。
部下の意見を否定する、揚げ足を取ったり萎縮させたりする。そういう会議ばかりしていると、部下は黙り込んでしまいます。そして、「早くこの会議が終わらないかなあ ……」などと、消極的な態度になってしまうでしょう。これでは、とても成長につなげることなどできません。
会議は、幅広いアイデアを集める「発散」と、それらを結論にまとめる「収束」の2段階で進めなければなりません。
「発散」では、参加者が意見を出しやすい雰囲気をつくり、上手に話題を振って議論が広がるような工夫が求められます。
そして「収束」では、多方面に広がった意見をひとつにまとめる能力が必要です。
さらに、司会をきちんとこなすためには、その部署で行われている仕事に対し、深く理解しておくことも不可欠でしょう。このように司会は、実に幅広い実力が問われるのです。それだけに、きちんとこなせるようになれば、部下の能力は格段に上がったと判断できるでしょう。
いきなり司会をやらせるのは難しいかもしれません。その場合は、「君が司会だったらどうする?」「この会議の目的は?」「どうやって皆をまとめる?」などと問いかけ、頭の中でシミュレーションさせるといいでしょう。頭で想像するだけでも、部下の司会力はかなり磨けます。
また、こうした方向づけをした上で会議に参加させると、当事者意識を高める効果も期待できるのです。
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第2章 部下と関わる「場・環境」をつくる【6】
この記事は、2014年発刊の大林伸安・著である書籍「目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと (アスカビジネス) 」を基に、メールマガジン「ノビテク通信」向けに再編集、配信した「目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本」です。内容や名称、肩書きなどは当時のままとなっておりますことご了承ください。