目標を達成し続けるリーダーの部下を育てる7つの基本
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「部下が何か悩んでいるようだ。しかし彼からは何も言ってこない」、「仕事に悩みがなさそうに見えたが、何も相談されず急に退職した」など。実は問題に至るまでに、部下はいくつかのシグナルを発しています。どうしたら部下の悩みを引き出し、相談される管理職になれるでしょうか?仕事ができる人ほど「感情」や「共感」を意識してみてはいかがでしょうか。
目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
第5章 部下に「成長」したことを感じてもらう【3】
「言葉や行動の裏にある感情を拾う」
私はさまざまな企業に出向き、研修を行っています。そこで出会った他社の社員から、後日、メールなどをもらう機会もよくあります。 その中で比較的目立つのが、若手社員から寄せられる「仕事、大変なんですよ」というメールです。
私は彼らにとって、社会人としての基礎を教えてくれた先輩。もしかすると、ちょっとは敬う気持ちがあり(笑)、それで報告をしてくれるのかもしれません。また、私は上司ではなく、社外の人間です。そのため、上司にはしづらい相談を持ちかけたり、愚痴をこぼすのにちょうどいい存在なのでしょう。
ところで、この「仕事、大変なんですよ」というメールには、いろんな意味が隠されています。
一番多いのは、自分のがんばりを認めて欲しいという「承認欲求」です。これは、とてもほほえましいもの。受け取った私も、思わず笑みがこぼれてしまいます。
一方、深刻な意味が隠されているケースもあります。仕事や職場環境が本当に厳しくて、私にSOSを送ったもので、これには慎重な対処が必要になります。
表面的な言葉は同じでも、その裏には、いろいろな真意が隠れているものです。上司としては、部下の感情を的確にキャッチすることが大事だと言えるでしょう。
ここで問題です。あなたは男性で、好きな女性とデートにこぎ着けたとします。ところが、新しい靴でやってきた相手の女性が、途中で靴ずれを起こしてしまいました。女性はしきりに、「痛いなあ」と話しています。そのとき、あなたはどうしますか?
男性の回答で多いのは、「靴ずれがこれ以上ひどくならないように、喫茶店など座る場所を見つける」とか「ドラッグストアなどで、靴ずれの薬を買ってくる」というものです。女性が「痛い」と言っているので、それを解決する方法を見つけようとするわけですね。私も多分、同じように答えると思います。
ところが、女性の研修講師に言わせれば、「こういう答えを出す男性は、女心が分かっていない」とのこと。
女性がこうした発言をするときは、解決より先に共感を求めているのです。だから、 解決方法を提案してもピントがずれています。まずは、「ああ、靴ずれって痛いよね〜」 と、相手の気持ちにより添うことが大事。そして、共感していることを示してから解決方法を提示すれば、女性は満足してくれるのだそうです。
この話を聴いたとき、とても勉強になりました。
管理職の中には、相手の気持ちに共感する姿勢が薄い人もいます。特に、仕事ができ、何事も合理的・ビジネスライクにこなす人ほど、そうした傾向が強いと言えるでしょう。
でも、部下の悩みを引き出すためには、まず、相手の気持ちに気づいてやることが大切。ちょっとした会話やメールなどの裏側に秘められた、さまざまな感情に気づいてあげましょう。
感情が最も現れる場所は、やはり表情です。にこやかな顔で、明るく張りのある声で話しているなら、心配はないでしょう。一方、眉間にしわを寄せ、暗い声で話している部下を発見したら、いち早く対応が必要です。
こうした細かい変化を見逃さないためには、やはり、部下と正面から向き合うことが大切です。話をするときは相手の目をきちんと見て、変わったところがないか観察するようにしましょう。
ただ、中には表情にあまり出さない部下もいます。そんなときには日々の行動の変化に注意しましょう。
例えば、口数が少なくなってきたとか、遅刻や納期がぎりぎりなど時間にルーズになってきたときも注意が必要です。 一人遅くまで残業が目立つようになってきたなどしたら、さりげなく声がけなどをしていきましょう。
人は、調子のいいときもあれば、悪いときもあります。常に気持ちが安定しているわけではありません。まずは、部下の気持ちの変化に気づくことが大切です。
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結果よりプロセスをほめる
第5章 部下に「成長」したことを感じてもらう【4】
この記事は、2014年発刊の大林伸安・著である書籍「目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと (アスカビジネス) 」を基に、メールマガジン「ノビテク通信」向けに再編集、配信した「目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本」です。内容や名称、肩書きなどは当時のままとなっておりますことご了承ください。