目標を達成し続けるリーダーの部下を育てる7つの基本
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現代は、効率重視の生産性から、付加価値の生産性へとシフトしています。機械化やAIのオートメーションで効率化したその先にあるのは、付加価値や新しい発想が求められる時代です。この時代のニーズに対応して、チームからアイデアを引き出すことが、これからの管理職やリーダーの素質になります。
目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
第7章 部下の「可能性」を広げ、目標達成させる【6】
「部下に発想の転換をすすめる」
ロボット工学の第一人者で「ロボットコンテスト」の創始者でもある、森政弘・東京工業大学名誉教授の著書に
『「非まじめ」のすすめ』というシリーズがあります。
私はこの本と学生時代に出逢い、夢中になって読み進めました。
森先生によれば、ロボットをつくる人はまじめではいけないそうです。
古い考え方にとらわれているようでは、新しい発想などできません。
そこで、遊び感覚で力を抜いて研究開発に取り組み、殻を打ち破ることが大事だと言います。
しかし、決して「不まじめ」では務まらない仕事です。
ロボットのような全く新しいものを世の中に送り出すためには、気が遠くなるほどの努力を重ね、夢を具体化する必要があるからです。
つまり、不まじめとも思えることを、まじめに考えて追及すること。
一心不乱に研究を続けながら、研究を楽しむ気持ちを忘れない態度が「非まじめ」ということなのでしょう。
若かりし頃の私にとって、この考え方は衝撃的でした。
「力(ちから)を入れて、力(りき)まず」、遊び心を持って柔軟に捉えることが、あらゆる仕事で役立つのです。
部下と一緒に、自由な意見を言い合える関係。
そして、楽しみながら真剣に協力し合える関係を築くことができれば、自然に、部下との一体感が生まれます。
そして、それは部下の成長にも大いに役立つはずです。
部下に対して「まじめにやれ」「不まじめにするな」だけでは、楽しさやおもしろみに欠けることはもちろん、あまり言われると委縮してしまい、新しいアイデアや発想は生まれてきません。
たまには部下と一緒になって「非まじめ」に仕事のことを考えてみるのはどうでしょうか。
非まじめに考えるポイントは、とにかく一旦常識は無視して、「どれだけ楽しいか」「どれだけみんなが幸せな気持ちになるか」「やってみてワクワクするか」とう基準でアイデアを出していくことです。
アイデアは枠を設けず、どんどん拡散させます。
アイデアを出せるだけ出したら、収束させていきます。
収束させるときは、出てきたアイデアを論理性のフィルターへかけていきます。
つまり、そのアイデアで、本来の目的が達成できるのか検証します。
そこで、残ったアイデアを最後に実現性のフィルターにかけていきます。
つまり、予算や制約などを、最後に検証していくのです。
そうすると、不まじめはもちろん、まじめに考えているだけでは、決して出てこない、おもしろくて、効果的な新しい発想や企画が生まれてくるものです。
また、自分たちの業界とは違う業界の研究をしてみるのも効果的です。
一見関係ないような業界も非まじめに研究してみると自分の仕事に役立つ意外なヒントが見つかったりもします。
それが証拠に新規事業のプランなど、他業界をヒントに生まれたものも少なくありません。
部下と一緒に人の集まるところに遊びにいくのもいいかもしれません。
マーケティングの格言に「ヒトの集まるところに宝あり」というのがあります。
繁盛しているお店、人気のアミューズメントスポットなどに、とにかく行ってみて体験してみるのもおすすめです。
そして、どこがよかったのか、他と何が違うのか、どんなことが人の集まるポイントなのかなどを考えさせると、部下の感性は自然と磨かれていきます。(もちろん、私たち上司の感性も)。
大切なのは遊び心であり、非まじめにやることです。
リーダーである私たちは、部下の潜在能力を引き出すため、また、一体感を持って愉快に仕事をしていくためにも、部下と一緒に非まじめに考える機会をつくっていきましょう。
結果ではなく、プロセスが大切です。
遊び心のあるリーダーの周りには、仕事を楽しむ部下が育ちます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
おわりに
目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
この記事は、2014年発刊の大林伸安・著である書籍「目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと (アスカビジネス) 」を基に、メールマガジン「ノビテク通信」向けに再編集、配信した「目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本」です。内容や名称、肩書きなどは当時のままとなっておりますことご了承ください。