目標を達成し続けるリーダーの部下を育てる7つの基本
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目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
第2章 部下と関わる「場・環境」をつくる【1】
「「三言目言葉」で部下の心を開く」
部下の話をじっくり聴くことには、互いの心理的な距離を縮める効果もあります。そして、部下との距離を縮める方法は他にもあります。それが「あいさつ」です。
私はこれまで、研修を通じてたくさんの管理職と出会ってきましたが、口べたな人は決して少なくありませんでした。こういう人が、苦手なタイプの部下と一緒になると、どうやって話しかけていいのか戸惑ってしまうようです。
しかし、管理職にとっては、部下とのコミュニケーションは避けて通れません。メンバーの状況をきちんと把握することは、上司にとって最も大事な仕事のひとつです。そこで、皆さんにお教えしたいのが、あいさつをするときに「三言目言葉」を活用することです。
これは、部下に声をかけ(一言目)、それに対する部下の返答(二言目)に対して、さらに投げかける言葉(三言目)。これを何パターンか用意しておくだけで、コミュニケーションはずっとスムーズになるのです。
上司「おはよう!」
部下「おはようございます!」
上司「最近どう?」
この「最近どう?」という一言をつけ加えることで、部下は「この上司は、私のことを気にしてくれているんだな」と感じます。すると、部下はあなたに心を開きやすくなります。その結果、仕事について悩みがあったり、大きな壁にぶつかったときなどに、いち早く報告してくれるようになるのです。
上司「おはよう」
部下「おはようございます」
上司「昨日は遅くまでお疲れさま。頑張ってたね」
どんな部下でも、ほめられ、承認欲求を満たされるとうれしく感じるもの。最後にねぎらいの言葉をかけるだけで、部下に与える印象はがらりと変わるのです。
将棋の初心者は、次の一手のことしか考えません。自分の都合ばかりを考えて駒を進め、相手から意外な一手を打たれてビックリしたという経験は、将棋をしたことがある人なら覚えがあるのではないでしょうか。
これに対し、「こう打って、相手がこう打ったら、次にこう打つ」という「三手の読み」ができるようになると、初心者卒業だとされます。
ビジネスの世界でも、同じようなことが言えるでしょう。
部下に話しかけ、思いがけない言葉が返ってきて言葉に詰まってしまうようでは、まだまだ未熟。一方、相手の返答に応じて何パターンかの「三言目言葉」を用意しておけば、部下との対話はずっとラクになるのです。
別に難しいことではありません。「おはよう」「おはようございます!」「いい天気だね!」のようなシンプルな言葉で構わないのです。状況に応じてこういう言葉を出せるように、普段から準備しておきましょう。
例えば、「昨日は何時まで残業したんだ?もっと効率よく仕事をしなきゃダメだぞ」という三言目言葉を使えば、部下のやる気をそいでしまいます。
部下は上司の朝の一言で、その日1日のモチベーションが変わります。
基本は、部下を励まし、ほめることだと肝に銘じておきましょう。
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部下の話を5分聴く
第2章 部下と関わる「場・環境」をつくる【2】
この記事は、2014年発刊の大林伸安・著である書籍「目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと (アスカビジネス) 」を基に、メールマガジン「ノビテク通信」向けに再編集、配信した「目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本」です。内容や名称、肩書きなどは当時のままとなっておりますことご了承ください。