目標を達成し続けるリーダーの部下を育てる7つの基本
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目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
第2章 部下と関わる「場・環境」をつくる【3】
「報告のタイミングを育成の場に変える」
管理職も部下と同様、日常業務に追われることが多いため、「部下指導に時間をかけるのがなかなか難しい」と言われる方が多くいます。
しかし、そんな方でも日常業務の中で、日々、部下から業務報告は受けているはずです。そこで、このときをチャンスと捉え、部下を指導すればいいのです。
1.部下との距離を縮め、心を開いてもらう
2.部下の話を聴き、現状を把握するとともに気持ちを理解する
3.部下をほめてやる気を引き出し、同時に悩みがないか聴く
4.具体的なアドバイスをする
このようなステップを踏むことが多いと思います。
こうしたステップを毎日の仕事の中に組み込んでいきましょう。
これまでに解説してきたように、日々のあいさつを通じて部下の心を開いたり、「5分間の世間話」で気持ちを理解することは可能です。それと同様に、日常の仕事を通じて部下にアドバイスを与えることもできます。
報告の機会に、いい業績を上げたり、仕事の進め方で工夫している点などを見つけたら、すかさずほめてやる。仕事に対して前向きに取り組んでいる姿勢が見えたら、きちんとねぎらってやる。それだけで、部下のモチベーションは大きく高まります。
そうして、部下を前向きな気持ちにしたところで、適切なアドバイスを与えられれば、指導の効果も高まるでしょう。
メールで報告を受けることが多くなってきているでしょうが、やはりフェイス to フェイスの方がより効果的です。
また、ここでもネガティブな物言いはできるだけ避けましょう。
個人的には、報告は頻繁であればあるほどいいと考えています。若手社員であれば、毎日報告を義務づけてもいいでしょう。
普段から報告を受けていれば、部下が置かれている状況を的確に把握できます。そのため、部下が壁にぶつかったときもいち早くフォローできるでしょう。
また、万が一トラブルが起こっても、大問題になる前に解決できるため、解決までの時間や手間が少なくてすむのです。
心理学的に言えば、人は頻繁に接触する人ほど親しみを持ちます(単純接触効果、あるいは「ザイアンスの法則」と呼ばれる)。
1カ月に1時間顔を合わせて話をするより、毎日3分ずつ時間をつくってこまめに報告を受ける方が、部下との絆は強まるでしょう。 特に、営業部門など外回りの時間が長い部門では注意が必要です。 全メンバーが社内で仕事をしている部署なら、部下とのコミュニケーションも活発に行いやすいでしょう。しかし、メンバーと顔を合わせる時間が短い場合は、そうはいきません。
そこで、意識して報告の時間を確保するのです。
例えば、「朝9時から30分は、報告を受ける時間」などと決めておけば、自分のスケジュールも立てやすいですし、部下も心構えができて助かると思います。
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営業同行で部下の特徴を見抜く
第2章 部下と関わる「場・環境」をつくる【4】
この記事は、2014年発刊の大林伸安・著である書籍「目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと (アスカビジネス) 」を基に、メールマガジン「ノビテク通信」向けに再編集、配信した「目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本」です。内容や名称、肩書きなどは当時のままとなっておりますことご了承ください。