目標を達成し続けるリーダーの部下を育てる7つの基本
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目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
第3章 部下に上司の「姿勢」を見せる【4】
「社内人脈を広げる姿勢を見せる」
研修で、参加者に「部下から上司に望むこと」を聴くと、「他部署との調整」という答えが目立ちます。自分にはない社内人脈を持っている上司に、「俺が話をつけてやるよ」 と頼れるところを見せて欲しいわけです。
上司は部下に比べ、社会人としての経験が長いのが普通です。その分、社内外に豊富な人脈を持っていることでしょう。ですから、他部門と協力して働いている部下にとって、強力なサポートをすることが可能です。
まず挙げられるのが、同期のネットワークをフル活用することです。
あなたが管理職であれば、同期の人々も管理職になっているケースが多いはず。そのつながりを活かせれば、それだけで社内人脈を広げることができるでしょう。
管理職研修で他部署の管理職と交流したり、部門横断プロジェクトで知り合った人たちとのつながりを強化したりしてもいいでしょう。
もちろん、研修で知識を得たり、共同プロジェクトで大きな成果を生むことも大事です。しかし、それと同様に、たくさんの知り合いを増やすことも大事だと知っておきましょう。
こうして知り合った社内の人々に、「以前お世話になりました○○です」と話をつけにいけば、部下からの評価は一気に高まります。「ウチの上司はすごいなあ!」と、尊敬されるでしょう。
それに、そんな上司の姿勢を見ていると、部下も社内ネットワークをつくらなくてはと痛感するはずです。
同期のネットワークをつくろう、機会があれば他部署の人たちとコミュニケーションをとろう、という意識が芽生えます。すると、部門、あるいは会社全体のコミュニケーションが活性化するのです。
あなたの同期に「久しぶりだな。元気でやっているか?ところで、こいつは俺の部下なんだ。多分、そのうち世話になることがあると思うから、よろしく頼むよ」と紹介するのです。
経験の浅い部下は、社内人脈が不足していると自覚しているもの。そこで、上司が他部署の人を紹介してくれたら、それだけでうれしいものです。
仕事というものは、一人ではできません。特に、仕事の規模が大きくなるほど、たくさんの人の協力が必要になります。
「この案件なら、○○部の○○さんに聴けばうまくいく」「この資料は○○さんに問い合わせれば探せるだろう」「あの部署には同期の○○がいるから、きっと手伝ってくれる」などのように、多くの人を巻き込んで成果を最大化できるからです。そして、上司のそういう姿を見て、部下も学習します。
ところで、人脈は一朝一夕で構築できるものではありません。 軽くあいさつをしたり、一度飲みにいったくらいでは、ただの「知り合い」というだけ。長い時間をかけ、じっくりと信頼関係を築くことで、はじめて人脈が築けるのです。 ここで大切になるのが、相手の役に立とうとする誠実さです。
よく「ギブアンドテイク」と言いますが、最初のうちは「テイク」を考えなくてもいいでしょう。最低でも、ギブ7、テイク3くらいの比率を目指すべき。相手が困っていたら、徹底的に与えればいいのです。
そうして相手のために骨身を削ることが、信頼につながります。そして、長い目で見れば、それこそが人脈を広げる最短の道なのです。
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逃げない姿勢を見せる
第3章 部下に上司の「姿勢」を見せる【5】
この記事は、2014年発刊の大林伸安・著である書籍「目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと (アスカビジネス) 」を基に、メールマガジン「ノビテク通信」向けに再編集、配信した「目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本」です。内容や名称、肩書きなどは当時のままとなっておりますことご了承ください。