目標を達成し続けるリーダーの部下を育てる7つの基本
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管理職の仕事は、チーム全体をまとめ、メンバーのパフォーマンスを上げることです。その際に忘れてはいけない態度が「公平な姿勢を見せる」ことです。その理由をお話しします。
目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
第3章 部下に上司の「姿勢」を見せる【6】
「公平な姿勢を見せる」
管理職と言えども人間です。神様のように、全ての部下を愛するというわけにはいかないかもしれません。でも、全ての部下を公平に扱うことは、絶対に忘れないようにしましょう。
気に入った部下や、自分と同じ派閥・学閥の部下ばかりを大切にしていると、それ以外の部下は全員そっぽを向きます。その結果、チーム全体のまとまりは薄れ、パフォーマンスも落ちてしまうでしょう。
注意して欲しいのは、「公平」という言葉の意味をはき違えないことです。
例えば、大きな成果を出した部下と、成果を出せなかった部下に同じ評価を下すのは、「公平」ではありません。これは、「悪平等」とでも呼ぶべきものでしょう。
大活躍した人は、「こんなにがんばったのに、ボーナスも増えないし評価も高まらないのか」とがっかりしてしまうはず。一方、活躍しなかった人は、「大してがんばらなくても評価してくれるのか。ラッキー」と甘えてしまうでしょう。
大事なのは2点。
まずは、「公平にチャンスを与えること」です。お気に入りの部下に有利な取引先を振り分け、そうでない部下に難しい顧客を担当させるなどの差別をしてはいけません。全員のスタート地点が同じになるよう、気を配りましょう。
そしてもうひとつ大事なのが「公平に評価すること」。出した成果に応じて、ほめるべき点はほめ、注意すべき点は注意するようにしましょう。
ところで、部下の不満でありがちなのは、「仕事の分量が人によって異なること」です。
一般に、仕事は優秀な人のところに集まります。そのため、仕事のできる部下は他の同僚より多くの仕事を任されがちです。こうした傾向が続くと、優秀な部下は「他の同僚はヒマそうなのに、なんで私だけがこんなに忙しいんだ!」と不満に感じます。
一方、仕事が少ないメンバーも、「私は上司から信頼されてないのか?」とやはり不満を感じるものです。こうした状況を放置しておくと、チーム全体の雰囲気は悪くなります。しかし、だからといって全員に同じ仕事を任せるのは間違いです。
これも、先ほど申し上げた「悪平等」の一種。一律に同じ質・量の仕事を任せると、能力の高い部下は実力を発揮しきれませんし、能力が高くない部下は仕事をこなしきれずにつぶれてしまいます。
正解は、部下の状況・向き不向きに合わせて最適な仕事を与えることです。
優秀な部下には、彼にしかこなせないハイレベルな仕事を任せましょう。
そして、「あなたに多くの仕事を任せるのは、期待値が高いから。十分な結果を出せば、さらに高い評価をするよ」と伝えるのです。そうすれば、不満を感じることなく仕事に打ち込んでくれるでしょう。
一方、まだ実力が不十分な部下には、その人が無理なくこなせ、しかも実力を伸ばすチャンスがある仕事を与えましょう。
そして、「今は実力が伴っていないから、この仕事しか任せられない。でも、仕事を通じて能力を伸ばすチャンスは十分に与える。そして、いずれ力が身についたら、もっとハイレベルな仕事を与えるよ」と指導すればいいのです。
全メンバーに最適な仕事を振り分けるためには、自分のチームが抱える仕事を正確に把握することが不可欠です。
また、各自の得意分野、苦手分野もつかんでおかなければならないでしょう。その上で、公平に仕事を振り分け、公平にフィードバックを行う。そうした姿勢を見せていれば、部下は必ずついてきてくれます。
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この記事は、2014年発刊の大林伸安・著である書籍「目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと (アスカビジネス) 」を基に、メールマガジン「ノビテク通信」向けに再編集、配信した「目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本」です。内容や名称、肩書きなどは当時のままとなっておりますことご了承ください。