目標を達成し続けるリーダーの部下を育てる7つの基本
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部下に伝わりやすい3つのパターンは一連の流れです。流れの中でも部下が認識しやすいパターンは、やはり人それぞれです。まずは一連の流れでパターンを覚えてみてください。
目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
第4章 言葉にして「想い」を明確に伝える【4】
「3パターンで伝える」
第3章でも紹介した山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という方法論を細かく分解してみると、このようになります。
①「やってみせ」
正しいやり方を実際に見せる。それにより、部下は目指すべき道が明らかになり、上達のスピードが高まる。
②「言って聞かせて」
ティーチング。どうすれば効率的に成果を上げられるのか、言語化して具体的に伝える。
③「させてみせ」
実際にやらせてみて、それをコーチングをしながら、試行錯誤を繰り返させる。自ら工夫し、行動することで、生きたノウハウを得ることが可能。
④「ほめてやる」
承認行動。取り組んできたことを振り返らせ、ほめてやることで、部下のやる気をさらに引き出す。
この手順、実に素晴らしいと思います。
まずはモデルを提示し、ティーチングを通じてやり方を教える。そして、試行錯誤を通じて実力を磨かせ、さらにほめることでモチベーションを高める。
私も、人材育成の研修を長くやっていますが、これほど理にかなったやり方はないと感じます。
ところで、この指導法にはもうひとつ注目すべき点があります。それは、指導法にも3つのパターンがあるということです。すなわち、
「やってみせ=見て覚える」
「言って聞かせて=聴いて覚える」
「させてみせ=感覚で覚える」
この3パターンです。
皆さんは、NLP(NeuroLinguisticProgramming。神経言語プログラミング)をご存じでしょうか。1970年代にアメリカで、もともとはベトナム戦争帰還兵の精神的ケアのために開発された心理学です。
そして今ではビジネスの分野でも活用されています。これによると、人間の脳には「クセ」があるそうです。 利き手に右利き・左利きがあるように、脳にも得意・不得意がある。それが、
「目で見て覚えるのが得意なタイプ」
「耳で聴いて覚えるのが得意なタイプ」
「手でさわって覚えるのが得意なタイプ」
の3タイプだというのです。
そこで、部下に対してはこの3パターンを一通り試すといいでしょう。やってみせ、言って聞かせて、させてみる。その上で、その人に合ったやり方が見つかったら、次からはその手法を重点的に使うわけです。
「何回言っても分かってくれないなあ、仕事を覚えてくれないなあ」という部下がいると思います。でも、その人は「聴いて覚える」以外のやり方が向いているだけかもしれません。正しいやり方を見せたり、実際にトライさせて身体で覚えさせてみたら、ずっと早く上達できるかもしれないからです。
ちなみに私は目で覚えるのが得意なタイプです。
例えば、初対面の人の名前を覚えるときは、「あの日、テーブルのあの席に座っていた人だな」と、映像で覚えています。だから、途中で席が変わると混乱してしまうこともあるのですが(笑)。
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部下への愛情を伝える叱り方
第4章 言葉にして「想い」を明確に伝える【5】
この記事は、2014年発刊の大林伸安・著である書籍「目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと (アスカビジネス) 」を基に、メールマガジン「ノビテク通信」向けに再編集、配信した「目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本」です。内容や名称、肩書きなどは当時のままとなっておりますことご了承ください。