目標を達成し続けるリーダーの部下を育てる7つの基本
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ノルマと目標の違いを理解し、部下に目標を設定してもらいましょう。部下に自信をつけさせ、「やれる気」にさせることで、成長が加速します。
目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
第7章 部下の「可能性」を広げ、目標達成させる【1】
「部下に目標を設定させる」
私は若い頃、半年だけゴルフにはまったことがあります。
生まれてはじめてコースに出たときは、「OKあり」で167を叩きました。
一緒に回った人からは、「OKがなかったら200を超えてるぜ。逆にすごいよ」と、変なほめられ方をしたのを覚えています(笑)。
コースに出るのが早すぎたと、私もさすがに反省しました。しかし同時に、闘争心に火がついたのです。
そこからは、打ちっ放しなどに通って練習三昧。すると、スコアはみるみる縮まっていきました。半年後には、120を切れるくらいまで上達したのです。
当時は、必死で時間をつくって練習をしました。
なぜ、あれほど私はゴルフに熱中できたか。それは、ゴルフが「自分で目標を立て、クリアを目指すスポーツ」だったからです。
「スイングをこう直したら、もっと飛ぶんじゃないか?」「スタンスを変えたら、ボールが曲がらなくなるかも?」などと工夫し、それが結果に結びつくのが楽しかったのです。
結局、仕事が忙しくなって半年でやめてしまいましたが、もし、あのときに他の誰かから「半年で120を切るよう努力せよ」 と強制されていたら、どうなっていたでしょう。
きっと、あんなにゴルフの練習に打ち込んだりはしなかったはずです。
「ノルマ」と「目標」は一見似ているようで、実は全く違います。
「ノルマ」は、人から強制され、クリアを強いられるもの。もし達成できても、安堵感を得られるだけです。 一方、「目標」は自分自身で立てるもの。だから、クリアしようとあれこれ知恵も絞るし、努力もします。そして、最終的にクリアできたら、大きな達成感が得られるのです。
仕事にも、同じことが言えます。 上司から、「お前のノルマは年間1億円だぞ」と言われると、多くの部下はうんざりしてしまうでしょう。でも、自分から「私の目標は、年間2億円だ」と設定すれば、かえって前に進むエネルギーが湧いてきます。
そこで部下には、上から与えられるノルマとは別に、自分が目指す目標を立てさせると効果的です。
若いうちから、自力で目標を立てる習慣をつけさせるのです。
もし、自分で2億円の目標を立て、最終的に1億5000万円しか売り上げられなかったとしましょう。
それでも、会社から与えられたノルマはクリアできています。
それだけでも、大きな自信が得られるでしょう。
そして、仮に2億円の売り上げを達成できたら、その満足度は計り知れないほどの大きさになるはずです。
そして勝手に、「次は3億円を目標にしよう! そのためには、もっと仕事を改善しなければ」と成長していくのです。
経験の浅い若手の場合、売り上げなどの数値目標を立てるのが難しいケースもあるでしょう。
また、はなから無理だとあきらめて、低い目標を立ててしまう部下もいます。
そういう場合は、もっと小さい目標から考えさせていきます。
例えば、「今週は、新規のお客様に10件は電話を入れよう」などで構いません。そして、達成できたら、次は12件、15件と目標を高めていけばいいのです。
大切なのは、自ら目標を立てる習慣をつけさせていくことです。
人材育成の世界では、「スモールステップ」というやり方を大事にします。
これは、目標を細分化し、小さな目標を達成する体験を積み重ねながら、徐々に難易度を上げていき、自分自身をレベルアップさせていく方法です。
こうして目標をひとつひとつクリアする中で、部下のやれる気(成功期待感)を醸成させます。
部下に自信をつけさせ、「やれる気」にさせることで、成長が加速します。
上から与えられるノルマの他に、自分の「目標」を持たせる。
これだけで、部下の成長度は大きく変わります。
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限界を突破させるため無茶な目標を与える
第7章 部下の「可能性」を広げ、目標達成させる【2】
この記事は、2014年発刊の大林伸安・著である書籍「目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと (アスカビジネス) 」を基に、メールマガジン「ノビテク通信」向けに再編集、配信した「目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本」です。内容や名称、肩書きなどは当時のままとなっておりますことご了承ください。