目標を達成し続けるリーダーの部下を育てる7つの基本
アーカイブ:
アーカイブ:
「無茶なノルマ( パワハラ ではいけません)」ではなく「無茶な目標( ムーンショットに近い )」の話です。達成できなくても良いのです。今までのやり方では達成できない「無茶な目標」を足掛かりにして、部下に「改革」を促し、限界の枠を広げてもらうのが目的です。
目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
第7章 部下の「可能性」を広げ、目標達成させる【2】
「限界を突破させるため無茶な目標を与える」
部下にノルマを与えるときは、前期より多少上積みした数値にすることが多いと思います。
例えば、前年のノルマが年間売り上げ1億円なら、今年の売り上げは1億1000万円にするなどです。
部下が自分で目標を立てる場合も、前期の実績を参考にするケースが多いでしょう。
でも、こうした考え方で目標を設定しても、達成するのはかなり大変です。
なぜなら、前期もそれなりに一生懸命、目標達成の努力をしていますよね。
そこからさらに数字を上積みするのは、乾いた雑巾を絞るようなもの。簡単に結果を出せたりはしません。
こういうときは、あえて「前期の200%を目指してみようか」と提案してみてはいかがでしょうか。
もちろん、言われた部下はビックリするでしょう。
「10%アップだって大変なのに、前期の倍なんて無理に決まってるじゃないですか!」と反論するかもしれません。それでもいいのです。
無茶な目標を与えたことで、部下は深く考え込むでしょう。
従来のやり方を多少変える「改善」では、200%の目標はとても達成できません。
そこで自然に、発想を180度転換して新しい道を探す、「改革」を目指すようになるのです。
今までのやり方をいったんリセットし、ゼロベースでビジネスを考え直す。
すると、「この新市場を開拓してみようか?」「全く別のやり方にしてみようか?」など、意外な好アイデアが出てくることもあります。
ここで大切なのは、200%を「ノルマ」にはしないこと。
売り上げ倍増を義務にすると、部下はつぶれてしまいます。そうではなく、あくまで「目標」にすること。
楽しみ、工夫しながら目指すように導きましょう。
世の中には、人の何倍もの実績をたたき出す、いわば「スーパーマン」のような人がいます。
こういう人は、凡人とどこが違うか分かりますか?
一番違うのは、「自分の枠」が広いという点です。
サッカー日本代表の元監督だったイビチャ・オシムさんは、こう語ったそうです。
「限界には、限界はありません。限界の定義は何だと思いますか。限界は個々の選手の目標で、限界を超えれば、次の限界が生まれるのです」
まさにおっしゃる通りだと思います。
人は、「私には、どうせこのくらいしかできない」などと、自分で自分の限界を決めてしまいがちです。
しかし、優れた実績を挙げるビジネスパーソンは、こうした考え方と無縁。
「私には、もっとできるはずだ」と考え、自分の限界を広げていこうとするのです。
「私はここまでの人間だ」と思った瞬間、成長はストップします。
この程度で十分だ、これ以上努力する必要はないと考えてしまうからです。
でも、「もっとできるはず」と考える人は、決して歩みを止めません。
それにより、新たな知識や経験をどん欲に吸収できるのです。
「できるか」、「できないか」を考えるときに、「できない」を選択してしまうと、「できない」という答えひとつしか残りません。でも「できる」、もしくは「できるようにする」を選択すれば、やり方はたくさん考えられます。
まずは、気持ちの中で「できる」を選択し、そのためにはどうすればいいかを考えるよう部下に指導しましょう。
ときには、部下に無茶な目標を立てさせてみるのです。
そうして部下の心の枠を取り払うことで、新しい思考が生まれます。それが刺激になって、時間の有効な使い方や、優先順位のつけ方、仕事のやり方などを見直す習慣がつきます。
仕事の目的を見つめ直すことで、部下は一段階上のステージに上がれるかもしれませんよ。
次の記事はこちら
部下の自主性を大切にする
第7章 部下の「可能性」を広げ、目標達成させる【3】
この記事は、2014年発刊の大林伸安・著である書籍「目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと (アスカビジネス) 」を基に、メールマガジン「ノビテク通信」向けに再編集、配信した「目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本」です。内容や名称、肩書きなどは当時のままとなっておりますことご了承ください。