ノビテクの目線から生まれる研修

吉川 : 一緒にゲームメソッド研修を開発していくと、ノビテクさんって、普通の研修会社と比べて、新しいことにどんどんトライしている会社だなって、付き合えば付き合うほど思いますね。既存の研修だけを売っていればそれだけでも成り立つはずなのに、あえて新しいことにトライする。我々みたいな、まったく研修業界と関係ないところと組もうという決断をしたりする。そんな部分でノビテク社が、他の研修会社さんとは「色」が全然違う会社だなって思っていました。もう一つとてもいいなと思う部分は、「ユーザー目線」なんですよね。講師の理屈とか、今までのやり方とかそういうことではなくて、「受講生がどうかっ?」ていうことを真剣に追及し、自分たちのプログラムをブラッシュアップしていらっしゃると思います。ゲーム会社って、基本的にユーザーが楽しんでくれなかったら売れないので、作る側の理屈は一切関係ないんです。ユーザーがどう反応するか?どう楽しんでくれるか?っていう部分を真剣に考えてきた会社ですから、根本的なイズムのところがすごく似通ってるのを感じています。

ノビテク目線にプラスα「ユーザー情動のトレース」

吉川 : 教育(研修)のプロ(=ノビテク)から、「何を学習させたいのか」(記憶 or トレーニング etc.)をヒアリングし、明確にする。次に、それを取得するのに必要な「体験」「体感」「気付き」を洗い出す。
ゲーム制作で培った、"ユーザー情動のトレース"で、受講者の心の動きを先読みして、適所に「ストレス」「緊張」「緩和」「達成」などの環境を丁寧に仕込んでいきます。
ここで喜ぶ、ここで落ち込むとかというのを先読みしておくわけです。それをトレースしておいて、逆にこういう風に動かすためにここでびっくりさせよう、ここでストレスをかけよう、ここで喜ばせようとかでやっていく手法がゲーム開発にはあるんです。

梅田 : すごく楽しいことを考えるためにギリギリのところまで詰めて詰めて詰めてもうアイデア出ないの、もうないの、本当にないってとこまでいったときにぽろっと出たモノがすごく良かったりします。そういう試行錯誤をを積み重ねていって結局一つのものを作っていくっていうのが、ゲームだとかおもちゃだとかそういうエンターテイメントの作り方だと思っています。

でもそこのアイデアはやみくもに出てくるわけではなくて、今までの経験であったり、肌感覚であったりそういったものがあるので、きっと今はこういったものがユーザーの気持ちではないのかって思いながら、考えて作ってみてを繰り返しながら物事が生まれているんですね。
リトマス試験紙みたいに、こうなったら正解という方程式みたいなものは無いんです。

吉川 :研修の話に戻しましょう。
どうやったらもっと学習効果が高まるかなって考えると、単純な面白さはどんどん度外視になってきて、いわゆる学びがどうやったら深まるかっていう本題をノビテクさんと話をし、詰めていきます。
受講者の目線を大切にしていますから、我々としては「こんな教え方でいいのかな?」っていう部分に注目しゲームメソッドを研修にかけあわせていきます。今のままではユーザーの心が離れて、遊びが薄いんじゃないですかっていう提案をする場合もあれば、ゲーム的な部分であんまり夢中にさせすぎると、かえって学びが薄くなる・・・とかを、火花をバチバチするように自由に意見を交換しています。
「じゃあもうちょっとこうしましょう!」と共同作業で「ゲームメソッド研修開発」は行われております。

ゲームメソッドの未来

梅田 : ゲームメソッドコンサルティングっていうのをはじめたときから、『ゲームのすべてをゲーム以外に』っていうのを一つの合言葉に、ゲームを作ってきたノウハウで世の中に少しでも新しい喜びだったり、今まで以上の価値を提供していきたいという思いでコンサルティング事業をしています。もちろん研修もその中の一つなので、今までにない新しい研修というものを目指して、我々の力が皆さんにお披露目できればいいなあという風に思ってますね。

吉川 : ゲームメソッド研修で、研修価値のある学びが得られた人たちの成長してくれている姿は、近い未来に見てみたいですね。正直、研修の評価自体は低くてもいいと思っているんです。すごくリアルに作りこんでいるので、結構怒られたりするですよね、研修の中で本当につらい思いをしたりとか、みんなに責められたりとか。でも、それは必ず職場に行っても起こりうる状況を想定した中で、先にシミュレーションさせてあげるんです。
研修の中で怒られたり、つらい思いをしたり、はじかれたりして、中々成功できなかった悔しいと思った経験を、「もう二度と繰り返すかっ!」ていうのを現場で改めたことで、その人の営業成績なり、勤務態度なりが評価されるっていうのが、私の目的なので。そんな思いで作っています。

梅田 : まだこのコンサルティング事業を始めて1年ちょっとなので、まだまだ我々も成熟できていません。我々のバンダイナムコグループにある様々な知見ノウハウのうち、ほんの一部しかまだ活用できていないと感じています。
これから実績を積んでいく中で、我々のメソッドも、もっともっと切磋されていくものだと思っています。
そしてもっとゲームメソッドの活かしどころが広がっていき、世の中のに「夢・遊び・感動」の種を撒いていきたいと思っています。