梅田 : ゲームメソッドコンサルティング事業を当社で行おうとしたのは、様々なサービスとか色々な商品に我々が持っているゲーム制作のノウハウが使えるのではないかと思ったことがそもそものきっかけです。
ナムコといえば、思い浮かぶのはパックマンや、ギャラガとかですよね、そういうゲーム制作会社だと思われがちなのですが、実は二十数年前からいろいろな形でゲームというものを他の分野で活用できないかという研究をしていたのです。
その中でも教育に展開できるものがなかろうかということで、文部科学省の発行する小学校の教科書を、教科書出版社の方と一緒に作らせていただいたり、総務省から依頼を受けて授業以外のちょっとした空き時間を利用した学習コンテンツを作ったりしました。
例えば「世界の挨拶」を覚えるとか、そういったものを体験できるようなコンテンツです。学習するということに対し、ゲームを作ってきたという我々のノウハウが使えないかという試みは、過去にも何度かチャレンジしていたのです。
吉川 : 学校の教科書や、空き時間に遊ぶ学習コンテンツが良い評価をいただけました。同じような考え方のもとに社会人教育という分野でも、そのノウハウが使えるんじゃなかろうかと。子供向けコンテンツ以外にも、人事部がやっていらっしゃるような教育・研修というテーマでも、我々の持つ知見は活かされるのでは?という考えから研修事業に参入したわけです。
名刺研修の肝は「トレーニングの数量」でしたが、もしかしたら掛け算を覚えるように、暗号のように呪文を記憶するってことが必要なケースが、研修内容によってはでてくるかもしれませんよね?ただ、そうなのであれば、どうやったら楽しくじゅげむじゅげむが言えるようになるるのか?ということを我々は考えるわけです。あるものに対して我々のゲームを作る時のノウハウをかぶせることで、よりその目的を達成しやすくなるとか、達成した時の効果が高まったりだとか、そのためにゲームメソッドというものを使っているのです。
梅田 : 本当のことを言いますと、大林さん(ノビテク社長)が聞いたら怒るかもしれないですけど、最初は我々だけの力で、一から何か作れるんじゃないかと思っていたんです。それは研修のメソッドも含めてです。何を学ばせたらいいかってことまで含め、自社だけで考えられるんじゃないかって思ってたんです。色々試行錯誤があったんですよ。
そして、気づいたことがあった「やっぱり、僕らは研修の本質はわからない」。
とても乱暴な言い方ですが、やはり本質的に何を学習させなきゃいけないのかという事が、僕らは感覚でしかわからない。そこは研修のプロであるノビテクさんから頂いた知見があるのですから、それに対して、いかにもっと楽しく、もっと価値のあるものに仕上げられるか?この部分で我々の力をプラスアルファすることがきっと一番いい関係になるだろう・・・・ということに後から気づいたんですよね、正直言うと(笑)。
わからない世界の商品をゼロから生むのが僕らの得意な仕事じゃないんですね。皆さんが持っていらっしゃる、今の現状であったり、課題のある部分、それらを我々の力でプラスαの価値に生みかえていったり、今ある魅力を我々のノウハウでもっともっと魅力を増していくことがゲームメソッドコンサルティングだと思っています。
そこに研修という分野において、2社が組む価値が生まれるのだと考えています。